最初に紹介するのは私の大好きな恋愛小説、ロンゴス作『ダフニスとクロエー』です。2C後半~3C前半の小説で、ギリシャのレスボス島にあるミュテレーネーが舞台です。

ある日、ラモーンという羊飼いが、山羊に育てられている男の子を見つけます。その男の子は大変立派な上着をつけいていました。またドリュアースという男も、ニンフの洞で同じようにリボンや靴などをつけた女の子を見つけていました。二人の子供はすくすく育ち、美しく成長します。そして二人の男は夢の中で、男の子には山羊の群れの、女の子には羊の群れの世話をさせよと伝えられるのです。

物語の主軸は、二人の恋の行方、そして田舎に育った二人の性の目覚めです。そして魅力は牧歌的空気の中で育まれる一途な恋!美しい二人は様々な人物から思いを寄せられ困難に見舞われますが、ギリシャの神々やニンフの力を借りて困難を乗り越えてゆきます。特に印象深いのは、物語の終盤のダフニスと結ばれないと感じ嘆くクロエーと、そのことを知り混乱するダフニスの描写。詳しくは読んでからのお楽しみですが、お互いを思いあう故のすれ違いに心が痛み、応援したくなります。

昔のギリシャの田舎の朗らかな世界で育まれる若い二人の恋。
短い物語なので、癒されたいときにどうぞ。

投稿者

korif

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